8月20日 8月のカレンダー

私の机の前は壁ですがそこに某飲料会社作成のカレンダーが貼ってあります。自社の美術館でコレクションしている作品群の中から毎年異なったテーマで12か月を飾っているのですが今年は浮世絵、屏風など富士山を描いたものです。8月は歌川広重の「東海道五十三次<隷書版>のうち原」です。「原宿」は日本橋から13番目沼津と吉原の間の宿。東海道の中でも、最も近くで富士山を眺望できた場所だとか。富士山が作品の中央、縦6割、横7割くらいを占め頂上は画面に入り切れていません。近距離から見上げるとこうなるのでしょうか何とも大胆な構図です。ごく手前には馬に乗った米粒大の旅人が3人、そこから正面の富士山迄田んぼ、山が続きます。53次の中で10枚近く富士山が描かれていますがいづれも広重のアイデア一杯の構図です。富士山の大きさだったり雄大な形だったり季節ごとにその表現は一つとして同じものはなく独創的なものばかりです。