9月14日 金木犀

このところ通勤途中にどこからともなく金木犀の香りが漂ってきます。まだ本当に鼻をかすめるくらいの匂いですが今朝香りの元を発見しました。匂いの場所でふと頭をあげたらあの金色の花が数かたまり見えたのです。山口青邨の俳句に「そこはかとなく木犀の香と人歩き」その人が歩くと懐かしい香りが付いてくるというのでしょうか。家のチェリーセージが出しゃばっており時々玄関の中まで香りを持って入ることがありますがそんな状態なのでしょう。金木犀の香りはとても強いのであちらもこちらも花いっぱいになると少々閉口しますが、今のようにどこからともなく漂ってくるというのが好きです。特に夜、花は見えないのに香りだけがあるというのは一層艶っぽいですね。花の香りは思い出もつれてきます。学生時代校門を入ったすぐのところに大きな金木犀があり毎年この香をかぐと一瞬にして甘美な思い出が蘇ります。春は沈丁花に秋は金木犀に過ぎ去りし日を見ます。

10月6日 金木犀

ここ数日のうち急に金木犀の香りが立ち始めました。台風以降気温が下がり始め金木犀開花の適温になってきたということなのでしょう。特に暗くなり始めてから香るので帰宅途中空気の流れのように濃くなったり薄くなったりします。翌朝前日の香りの主を確かめなるほどと一人合点しています。我が家のは「銀木犀」で金ほど香りは強くありません。私はこちらのにおいの方が品がいいなと思い植えたのですが時期が重なり遠くからの金木犀の香りに侵略されています。金木犀の原種は中国の丹桂と呼ばれ沢山の種類があるようですがこれにも異説がありもしかしたら日本固有の花かもしれないとも言われているようです。すくなくと日本の風土にはとてもあっているのでしょう日本各地どこでもこの時期は金木犀香りに包まれます。学生時代は関西にいたのですがその香りは辺りを席巻していました。この花は散ると根元がオレンジ色に染まり桜とはまた違った風情があります。

 

 

9月29日 営業担当者の雑記

あちこちで金木犀が香り始めました。全くいつの間にかですがこの木、香りが強いのですぐに分かってしまいます。会社の駐車場はその場所が不明ですが何処からか匂いが漂ってきます。ご近所には毎年楽しみにしている木があります。今年も順調です。しっかり手入れしているようでもないのにここのは樹高、拡がりが丁度いい塩梅です。駅のそばには3、4mはあろうかという大きな木がありますが流石に夜傍を通ると香りに溺れそうになります。家のは銀木犀ですが結構白い花をつけ始めました。昨晩辺りは風の流れ具合なのでしょうかそれほど強い香りではありませんでした。トイレの消臭用に化学合成された匂いはある香り要素だけが強調されており鼻を刺すので好きにはなれませんが、自然のは強い香りの中にも柔らかさ甘さのバランスがよく遠くからでも近くでも其々の良さがあります。私は遠くから漂ってくる方が好きです。風で散った花も風情があります。いよいよ本格的な秋到来ですね。

9月25日 営業担当者の雑記

「もしかしてやっぱり君か金木犀:大島翠木」 一昨日玄関に出たらお待ちかねの香りが漂ってきました。お隣の金木犀か家の銀木犀かは定かではありませんが慌てて女房を呼びました。もう咲いてもなんの不思議もないのですが煩いほどに咲き乱れる萩やバラに目が行き鼻が利いていなかったのでしょうか。 葉が虫に食われ大丈夫かしらと思っていた銀木犀ですが今年も見事に咲いています。金木犀ほど派手に香りを撒き散らしはしませんが少し控えめなその匂いは大好きです。匂いは時空を超えて数十年前の記憶を一瞬にして蘇らせてくれます。私が行った学校には門を入った直の所に大きな金木犀が植わっていました。当時は学生運動のさなかで新学期は秋に始まりました。多分教科書等を買って下宿に帰るところだったように思います。その香りがいつまでも残っていました。勿論その頃は金木犀の名前も知らなかったのですが、いつの間にか毎年この香を嗅ぐとその当時の事がよみがえってきます。「金木犀過ぎ去りし日の香りなりけり:佐渡谷秀一」

 

2013年10月9日 営業担当者の雑記

今朝は台風の影響なのでしょうか少し風が強く折角の花がこぼれおちている金木犀もありました。見上げるとお隣の柿の木は実がたわわになっています。近所の桜並木も春は華やかな花をつけ夏はタクシードライバー、お散歩、ジョギングの人たちに格好の木陰を作っているのですがこのところ随分葉が散っています。舗装された道ではゴミ収集車の出番が増えてきます。木々はボチボチ冬支度を始めました。このところ夏がぶり返したのかと思うほどの気温ですがそれでも自然界ではすこしづつ秋が深まっていますね。