5月17日 営業担当者の雑記
326年前の昨日芭蕉が「奥の細道」の旅に出発しました。俳人長谷川櫂は「イギリスはシェークスピアの国といわれる。シェークスピアの戯曲や詩にこそイギリスとイギリス人の美徳や悪徳がいちばんよく表れているという意味である。それにならえば、日本は芭蕉の国というしかないのではないか。同じく芭蕉の俳句や「奥の細道」にこそ日本と日本人の美質も欠陥もよくあらわれているからである。」という。その芭蕉が「古池や」で開眼し蕉風へと大きく変わる契機となったこの旅。一見江戸から奥州、山形を経て大垣に終わる旅行記のようであるが実は必ずしも事実ばかりではなくむしろ芭蕉が意図的に作った架空(虚)の話が随分とあるようです。つまり彼の俳句の為にはこの風景、この話がなければならないといった様にです。長谷川櫂の「芭蕉の風雅:あるいは虚と実について」はその辺りの深い解説が沢山出てきます。広く知れ渡っている句の裏側あるいは秘められた意味が分かると芭蕉の苦悩、凄さが一層見えてきます。