6月27日 育児はワンオペに向かず

昨日の日経コラム「春秋」に「人間の育児はワンオペに向いていない」という生物学者高橋祥子氏の言葉が載っていました。彼女は出産して赤ん坊の弱さに驚いた。食料を探して食べることも危険から逃れることも出来ない。「こんなに弱い哺乳類はほぼいない。よく人類が増えたなというのが生物学者としての最初の感想」だという。これをカバーするのが集団育児で脆弱性はかえって進化上のメリットにもなった。弱い状態で産みゆっくり育てる環境を整えた結果ひとは脳の発達に15年もかけられるよになり知性を伸ばすことができた。つまり人間の育児は集団生活が大前提になっている。この生物学的な子育ての仕組みと育児家庭の大半が核家族というギャップが少子化の原因であるという。ならば子育ての負担を社会全体で賄うのは必然だとも。「育児はワンオペに向いていない」という科学から導かれた真理を唱えれば為政者も育児に悩むひとも眼前の霧が晴れると。至言。