10月18日 営業担当者の雑記

今朝新聞を取りに行ったら久しぶりのそして今日一日だけという晴天でした。昨日までのうすら寒さが和らぎ日中は過ごしやすくなるのだとか。ふと「誰彼もあらず一天自尊の秋:飯田蛇笏」の句が浮かんできました。「一天」という表現が今日の青空には似あうと勝手に思ったのですが多分「一転」の発音から上の句が浮かんだのだと思います。突きぬけるような透徹した誰彼のものではない彼自身に対峙する秋の空そして自分が生きてきたその人生は誰に媚びるでもなく只管自分の思い通りに句作に励んできた。それこそは自分が誇れる生き方であった。この句は蛇笏最晩年それも死を直前にした作とのことですが私の事を思うと何とも情けない人生を送っておりとてもこんな心境にはなれないと思います。それだけにこの句のそして彼自身の人生に対する真摯な態度に感心しせめてこんな生き方を尊敬出来る自分であることを嬉しく思うだけです。

 

10月6日 営業担当者の雑記

今日は恒例の実績報告会議。精一杯活動した結果なのでどんな批判も甘んじて受けましょう。そんな予定も組まれていますが今朝の空は突き抜ける青さです。「むかしから穴もあかずよ秋の空:鬼貫」なんともうまく詠んだものです。凡人の私などは澄んだ空気、高く真っ青な空を見上げるといよいよ秋本番だな、さて今年はどこの紅葉を見に行こうかとか、ボチボチ蕎麦の花が咲き収穫も近いとか甚だ現実的な事を思うのですがこの江戸の粋人は吸いこまれるような空を見てよくもよくも穴があかないものだなと感じたのでしょうか。確かに一色の空のどこかに渦を巻いて穴があいているととても怖いし、あるいはこんなにきれいな空を皆が見上げているのに平然としているとでも言うのでしょうか勝手な解釈ながら飛びぬけた感覚とことば遣いには感心します。ともすれば枯淡の境地などと思いがちな江戸俳句にもこんな洒脱なものがあるのですね。好きな句の一つです。