3月31日 盛花

タイトルは「もりばな」ではなく「せいか」と呼んでほしいのですが今回も桜の話題。私も桜狂いの一人としてこの時期は気もそぞろなのですが岡本かの子さんの歌にこんなのがありました。「桜ばないのち一ぱい咲くからに生命をかけてわが眺めたり」ご存じ岡本かの子氏は芸術は爆発だ!あるいは大阪万博の太陽の塔で有名な岡本太郎のご母堂。本人は小説家として「老妓抄」などの作品を書かれていますがそれより彼女の奔放な生き方の方がすさまじいのですね。亭主公認の愛人が一緒に住んでいたとかで瀬戸内寂聴さんの「かの子繚乱」のモデルです。与謝野晶子に師事していた彼女も師匠に負けず大胆な歌を作っています。この歌も命一杯に咲いているのだから私も命をかけて桜を眺めるというのです。散るのが悲しいなどとふやけた平安貴族の歌とはまるで違いなんとも激しい感情です。見事に散りましょうなどとカラ元気を出すよりはるかに単純明快なすごい歌です。