8月8日 百日紅

「二十世紀ナシ」をその名前の由来にする松戸市二十世紀が丘の街路樹は「さるすべり」で今夏も立派に咲き続けています。ここはきれいに区画された町で40年位経つようですが百日紅は多分そこまで古くはないと思います。赤、白、紫があるのですが色使いには何となく括りがありそうです。「さるすべり」の名前はサルでも登れないほど木の肌がツルンとしているからとも聞きますが私は「百日紅」の方がピンときます。紅色だけではありませんが花の少ない夏、濃い緑の葉の中に咲くこの花はとても目立ちます。ボチボチ終盤戦に差し掛かっているのか木の根元に花弁が散らばっています。サンゴのかけらのような、ごく小さな縮れた花弁がついた小枝ごと落ちています。香りはまったくありません。金木犀のように騒々しくはなく桜のように妖艶でもありませんが確かに百日紅を主張しています。特別な思い出があるわけではありませんが私の夏の花は「百日紅」です。

8月3日 百日紅

今年の梅雨明けは例年よりかなり遅いように思いますが明けた途端強烈な暑さです。まるで短くなった夏の時期を取り戻すかのように入道雲、ギラギラ太陽、吹き出す汗と三拍子も四拍子も「夏本番」です。松戸二十世紀が丘に懇意にしているお客さんがあるのですがそこの並木は見事な百日紅です。ピンクが多いのですが青年期位の樹木なんでしょう葉もかなり茂っています。「散れば咲き散れば咲きして百日紅:千代女」美人で有名だったという加賀の千代女、まさか自分のことを言っているのではないでしょうがとにかく百日紅は花の時期がとても長くこの花が咲かなくなると秋到来となります。また「百日紅ごくごく水を呑むばかり:波郷」石田波郷は結核で長い間療養生活を経験しているせいか生命力に溢れた百日紅とこの暑さにただただ水を呑んでいるという何でもないことへの賛歌、今こうして生きているという実感がこもった句私は勝手にそんな感想を持ちました。