6月21日 棺にすがる母親
先日の「朝日歌壇」馬場あき子氏の選に「若者の棺にすがる母親よ麦の畑に十字架並ぶ:川西敦子」というのがありました。いつまで続くのかどれだけの犠牲者が出ればいいのか。ウクライナの戦争に勝者はいるのだろうか。もちろん戦争を仕掛けた為政者は敵が降伏すれば目標を達成できるのだから勝者なのだろう。しかし実際に戦場で戦っている兵士に勝者はいるのだろうか。命令に従っているだけ、あるいは従わなければ自分が甚だ不利な状況になってしまうからというのであれば敵を何人殺しても自国防衛のためでもなし家族を守るためでもなし勝者にはならない。そこには死者を悼む母親たちと地に埋められた屍だけしか残らない。同じ選に「地獄から地獄へ移る」と泣く妻よ地下壕出でて捕虜となる夫:伊藤紀美子」というのもありました。自国が侵略されるのを許すことは出来ません。しかし自分の子供には戦場には行って欲しくありません。棺にすがりたくはありません。