7月25日 桂米團治

一昨日恒例の桂米團治独演会を聞きに銀座ブロッサムに行ってきました。正月と7月の年2回弟子を連れやってきます。私は彼が桂小米朝のころからもう数十年のファンです。人間国宝だった父桂米朝の芸風とは一味違い芝居噺や二代目の哀歓を偲ばせながらの若旦那を得意とし、オペラとの共演といった新しいことも取り入れ今や日本を代表する落語家の一人だと思います。で昨日の演題ですが一席新作を披露しました。直木三十五作の「増上寺期限一説」を元ネタにしたもので日本に上陸した象が時の将軍徳川秀忠と絡み大騒動をした末に今増上寺がある場所に葬られたという話ですが歴史的には増上寺は室町時代に建てられていたことを明かすので作り話なのだがまんざら荒唐無稽な話でもないと思わせるのが彼らしいところでしょうか。話としてはまだ練れていないし多少説明が多いのが気になりますがこれから何度も続けていくうちに古典になっていけばと期待します。

5月14日 営業担当者の雑記

先日桂米團治を見に行きました。今回は特に師匠米朝が亡くなって50日余りどんな噺が聞けるかとても楽しみでした。彼は3席演じたのですがやはり父であり師匠である米朝の葬儀が「まくら」代わりになり生前身内だけで葬儀をしてくれといっていたが人間国宝、文化勲章受章者ともなるとそうもいかず大仰になってしまったこと、式でのあいさつなどを面白おかしく話しました。話芸もさることながら噺の中で演じる彼の真骨頂芝居、文楽、義太夫といった芸も十二分に楽しめました。中入り後の一席は「住吉駕籠」という江戸時代大阪が元気なころの堂島商人の噺でした。これはこれでとても面白かったのですがおまけで米朝の18番「地獄八景亡者戯」を生前使っていた「米朝近日来演」のくすぐりを織り交ぜ先になくなった米朝の愛弟子で米團治の子守り番だった枝雀を登場させたときはもう感極まってしまいました。