1月16日 営業担当者の雑記
今日の日経夕刊「あすへの話題」に安藤和津さんが心打たれる文を寄せていました。次女の成人式の話で、介護の末期で寝たきりの母親が前から「さくら(次女)の成人式まで頑張らなきゃ」といっていた。あと三ヶ月で成人式というある日「さくらの振袖何色がいいと思う?」と尋ねたが既に言葉を発することが出来なかった母親は瞬きをするだけだった。二日後酸素マスクの下から「アー、アー」と声を出すのでマスクをずらすと「ピ・ン・ク」といった。用意していたのは黒地だったので在宅介護中の彼女はあちこちの知り合いに連絡してどうにかピンクの振袖を調達できた。成人式当日髪を結い薄化粧をした「さくら」が「おばあちゃま、ありがとう」と言いながら母親の手を握った、その時母親の目から一筋の涙がツーッとこぼれ落ちた。それから間もない、桜の花びらが舞い散る春の日に母は旅立った。男の私には想像を超えた娘と母親と祖母の血の繋がりなのだろう。