11月13日 営業担当者の雑記
昨日何とはなしにテレビを見ていたら日本の職人さんということで山形の方が二人取り上げられていました。山形は岩手の南部鉄瓶と並び鉄器で有名らしいのですがお一人はその出来上がった鋳物に漆で色を付けたり人工的なサビを付けたりすることに長けた方なのです。熱した鋳物に硬い刷毛で漆を塗り込むと言うか刷りこむと言うかもうもうと漆の蒸気が立つ作業場で手早くそして何回も色を付けていきます。そして次に「おはぐろ:江戸時代既婚の印に婦人が葉を黒く染めた習慣」を塗るとまるで数百年の時代を経たもののように貫禄が出てきます。この二ツの作業を施したものと出来上がったばかりの鉄瓶を比べると一目瞭然。素人目にもその違いははっきり分かります。重量感、存在感。凄い仕事です。もう一人の職人さんは天童の手彫り将棋駒掘り。下書きなし一回勝負でけやきに小刀で隆々とした文字を彫り込んでいきその上から漆を塗ります。とにかくその精緻な出来栄えには驚きます。どちらもこの熟練の技を継ぐ人は今のところいないようで心配です。