10月11日 小三治逝去
新聞に柳家小三治が7日に亡くなっていたと報じています。享年81歳。極先日まで高座に出ていたので本当に突然の死です。6年前に桂米朝が居なくなり、そして小三治も。小三治は私の大好きな古今亭志ん朝とほぼ同時代立川談志は少し先輩といった関係ですが年を取ってからの小三治は本当によくなりました。若いころは天才志ん朝、売れっ子の同門談志といつも比較され続けたのですが両人がいなくなりまったく自分の芸風を作り上げました。強面の顔を時にくしゃくしゃにし時に侍風のきりっとした顔で「時そば」なんぞはバカバカしくて泣いてしまいます。人情噺も情が先に立つことはなく話の筋で聞かせるのですが随所で見せるあの間。そして何より天下一品の「まくら」。談志も世評などを取り入れたまくらを振ってはいましたが小三治のは年期が入っています。まくらだけで高座を降りたという強者。志ん朝と小三治の高座は向こうの世界でしか聞けなくなりました。