10月27日 姓は丹下

今日の日経夕刊「プロムナード」にとり・みきというマンガ家の書いた文章に痛く共感しました。内容は既に亡くなっており実際には目にしたことのない俳優の物まねを、モノマネ芸人(当時は声帯模写)の真似をして周囲を面白がらせていた。その俳優たちが大河内伝次郎であり長谷川一夫だというのだがまったく私も同じ経験をしています。大河内伝次郎の本物を聞いたことがないので似ているのかは不明ですがあの独特の「姓は丹下名は左膳」という言い回しあるいは長谷川一夫が忠臣蔵で大石内蔵助に扮し「おのおのがた」と家来衆に呼びかける口調は、実際そんなセリフが存在するのかどうかも怪しい位なのだが如何にも本当らしいのです。この方はさらに「本人はもう死去しているにもかかわらず、その仕事や魅力というものはモノマネされ続ける間は現役性を保ち、次世代にも認識され芸能史のなかに普遍的評価として定着する」漫画界にも当てはまると続けています。