5月13日 利休鼠
北原白秋作詞の「城ヶ島の雨」の一節に「雨はふるふる城ヶ島の磯に 利休鼠の雨が降る」というのがありますがこの利休鼠というのは色の名で緑色を帯びた灰色に利休色というのがあり、それが鼠色を増したのが利休鼠というのだそうです。この色そのものは渋くていいのですが雨続きで全体がくすんだ色の景色は気が滅入ります。菜種梅雨というのでしょうか一日中しとしと雨が降っています。5月は山々の木々が一斉に芽を吹きだし艶やかな花々が咲きなんだか世の中が明るくなった気がする季節なのですがこのところの天気はどうもよくありません。予報によると九州、四国では線状降水帯も現れ水害の恐れもあると報じています。同じ場所に前線が居座り大量の雨を降らすため過去には各地で甚大な被害が出ています。一晩にしてすべてを失ってしまうこの前線による豪雨には、雨にも色を付けそれも楽しみましょうという先人の発想も少々恨めしくなってしまいます。