6月29日 営業担当者の雑記
会社の行き帰りに時々くちなしを見ます。時期が過ぎているので大ぶりの真っ白い花は薄汚れたようになり甘い芳香もすっかり無くなっています。花の最盛期は息苦しいほどの香りと深い緑の葉に浮き上がる白い花はこの時期の女王様といってもいいのではと思います。花は美しく咲いた後どのように枯れていくのかいろいろですね。桜のようにパッっと散るのもあれば色が落ちたまま枝に付いているのもあります。嘗て芭蕉は「猿蓑」の中でこんな付け句を残しています。「さまざまに品変わりたる恋をして(凡兆)浮き世の果ては皆小町なり(芭蕉)何故ぞ粥すするにも涙ぐみ(去来)」いかに若い頃持て囃された絶世の美女でも年老いてしまえばかの小町伝説のように哀れになってしまうものだというのですが、それは少し言い過ぎで本当に品のいい年を取っている人もいますが、若い頃きれいであればある程年老いた時との差が目立ちます。花をそのような言い方をするのは少々的外れかも知れませんがくちなしにはなんとなくそんなことを感じます。