3月2日 営業担当者の雑記

「水取りや氷の僧の沓の音:芭蕉」東大寺二月堂の修ニ会がこの1日から始まっています。私は実際に見たことはないのですがテレビで火の粉が飛び散る燃え盛る松明を抱えた僧が長い廊下を走っている姿を見たことがあります。これは3月12日の深夜若狭井という井戸から観音様にお供えする「お香水」を運ぶ練行衆の道明かりのためのもので修ニ会そのものは1250年来途絶えたことのないというとても荒行のようです。芭蕉の句にもあるように前行そして本行を乗り越えた修行僧が凍りつく深夜沓の音を響かせながら「お香水」を運ぶのですね。私の大好きな白洲正子さんの「名人は危うきに遊ぶ」の一節に荘厳な様子が書かれてあったのを思い出しました。昔モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンの映画「The Bucket List」で死ぬまでにやりたい10のことを一つ一つつぶしていくというのがありましたが私も退職したら是非とも見たい儀式です。