9月19日 読売歌壇栗木京子

今週の選は少し旧聞だが夏の甲子園から「ヘルメットとれば棚引く黒髪が王者となりぬ夏甲子園:高橋 益子」優勝校慶応義塾高校の選手たちは坊主頭ではありませんでした。これも結構話題になったのですが坊主頭が高校生らしいとはいったい誰が決めたのでしょうか。清潔感?きっと臭いので毎日洗髪していると思います。手間がかかる?精々10分やそこらでしょう。野球以外に目を向けるな?生身の高校生にそれは多分無理というものです。異性のこと、勉強のことなど一杯考えることはあるでしょう。今時サッカーに限らずいろんなスポーツ選手はみな思い思いの髪型をしています。高校野球だけがいつまでも大人の勝手な理屈を守ってきたのですね。作者の「黒髪が棚引く」とか「王者となりぬ」という表現も大層な言い回しですが彼女にはそれほど衝撃的なことだったのかもしれません。昔に比べれば今の高校生たちの髪型はいろいろあり本当に羨ましい限りです。

9月12日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「手紙書き切手を探すその間に手紙を失くし老いを感じる:谷 布紗子」ほんとによく忘れるものです。最近は名前を思い出さない同士で会話が成り立つのが不思議です。「ほらよくテレビに出ている元テニス選手の大きな人実はいいとこのボンらしいよ」「あの人相変わらず元気だわね、さっきも出てたわ」なんて会話はざらです。困るのは取り敢えず二階に上がったのですがさて何をしに来たのか思い出せない時です。「おーい 俺何しに二階に上がったのか分かる」と尋ねると「パジャマ取りに行ったんじゃないの?」と教えてくれたので暫く探しているうちにパジャマを着ているのに気付き「パジャマじゃないけど」というと「ところであなたどこにいるの?」と聞かれるとさすがに青くなります。お互いさまなのですが一応亭主の威厳?で「ぼけてんじゃねーよ」などといっておりますが敵も先刻ご承知「愛してるわよ」などと訳のわからないことをいっております。

 

9月5日 読売歌壇栗木京子

昨日はバスケで興奮した様子を書きましたが今週の栗木さんの選は「夏休み交代アナのさわやかな緊張伝わるニュースの画面:杉本 葉子」私も夕食後何とはなしに ニュース番組を見ています。特に何局が気に入っているとか特定のキャスターを応援しているわけではありませんがそれでもいつも大体同じ顔の方です。顔くらいは覚えているので「あれ今日は違ったアナウンサーだな」などと気づきます。世間より遅い夏休みということで「○○アナは夏休みのため代わって××アナが担当します」などと言っています。やはりいつも出ている方は番組に溶け込んでいますが新しい方は少し馴染み感がすくないように思えます。新人アナや入社間もない人は口角が大きく動き笑顔に硬さがあります。一方その硬さは緊張間の表れでさわやかにも感じられます。もしかしたらピンチヒッターから大仕事を任されることもあるのでしょうから一層緊張しますよね。

8月28日 読売歌壇栗木京子

今週の選も評なし歌から「小走りできびきび動く宅配の人に三度は言う「ありがとう」:木村由里亜」本当に彼らがいなかったら日本は物事が回わっていかないのではないだろうか。当たり前のように決められた日、時間に荷物が届くのはまったく彼らのおかげです。世の中が忙しくなりネットで物を買うことが多くなりました。何しろ便利ですし金額によっては配送料が無料の場合もあります。購入物の代金も運送屋さんに払えます。理屈をいうと彼らは一件いくらで配送を請け負っているので金を稼ぐためにやっているんだ かもしれませんがこの暑い中街中を駐車違反を恐れながら走り回るのは半端じゃありません。決して世の為人のために仕事をしている訳ではないでしょうが思わず頭が下がります。昔起業するための資金を貯めるのに若いうちに運送屋で稼ぐんだという人がいましたが今も同じなのでしょうか。その志は素晴らしいのですが身体だけは気を付けてくださいね。

8月21日 読売歌壇栗木京子

今週の選は評付の三首外から。栗木さんもお年頃なのか3首中2首が孫の話なので敢えてそれは選ばずに「たそがれの小田急線の柵沿いに白粉花が連なり匂う:玉川伴雄」。私は通勤に京成線を利用しており最寄り駅に行く道中の線路沿いに白粉花が咲いています。この花昔はちょとした空き地や庭の隙間にどこでも見られたのですが最近はとんと見かけなくなりました。白やピンクの小さな花が咲き花の時期が終わると直径5mmくらいで皺しわの黒い実がなりその中に白い粉が入っています。それを実際に顔に塗ったかまでは覚えていませんがいかにも化粧粉のようなものでした。そばに寄ると香りも柔らかで少し甘い化粧のようで名前の由来は白い粉なのか香りなのか知りません。和名は夕化粧あるいは英語でもFOUR O’CLOCKとよばれているように黄昏時に咲きます。小田急線と京成線はまるで離れているのですが「玉川さん」私は京成沿線で楽しんでいますよ。

8月17日 読売歌壇栗木京子

台風7号が大荒れだった盆があけました。今日はあまりに共感したので浮気をし小池光氏の選から。「若づくりしてみたけれど無駄だったバスに乗るなり席譲られて:宮本允子」もう笑うしかありません。通勤時はコットンのボタンダウンシャツとコッパンが定番で一応それなりの身だしなみをしているつもりですが最近電車に乗ると直ちに席を譲られます。以前は結構ですとつっぱっていたのですが膝腰が悪くなり親切に応えるようにしています。確かにガラスに映る自分を見ると腰が曲がり、がに股で歩幅も小さくちょこちょこ歩きです。どう見ても若くはありません。席を譲って下さる人から見ると随分立つのも大変そうな爺さんなのでしょう。それを自覚していなかったのですね。「まだまだ若いものには」などとは思っていませんが年寄りだと同情されるのは御免だなという気持ちでした。何とも可愛いというか見栄っ張りというかもう少し姿勢よく立っている人の台詞でした。

8月7日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「高地にて鍛えたみたいな速さなりマスク外して駅へ走れば:柴田和彦」この方は駅へ急ぐのに途中でマスクを外したら高地トレーニンググをしたスポーツ選手のように呼吸が楽になったというのですね。私の場合は通勤電車内ではマスクをしており駅を降りるとすぐマスクを外します。その時の爽快感。多少の背景は違いますがマスクを外したときの何とも言えない開放感。実によくわかります。コロナ禍の時期世のなかが暗かった理由は勿論かつて経験したことのないウィルスの出現に対する恐怖が蔓延していたのが大きな原因だとは思いますが基本マスク着用、食事以外は外すなというお達しを遵守したことによる閉塞感、息苦しさというのも相当大きな要因ではなかろうかと思います。声はくぐもるし息苦しいし。今だいぶ状況がよくなってマスクをつけることが通常ではなくなりその弊害をつくづく感じます。何とかこのままマスク不要になって欲しいものです。

7月31日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「不眠症毎月通う病院の待合時間は熟睡タイム:鎌田昇」私の場合は不眠症ではありませんが腰が悪く夜中に時々目が覚めます。そのせいなのか通勤電車の行き帰り、昼休みは本当によく寝ます。日頃は電車に乗ると話す間もなくコックリ始める妻を見下していましたが今は全く逆です。私の場合は熟睡に入る5分前新京成一駅、二駅の間本を出します。これが何にも勝る睡眠導入剤になります。敢えて本を出すとは言いましたがそれでもチリも積もればで月に親書1,2冊ペースでは読めますことを付けくわえますが本題は睡眠です。とにかく不思議なもので電車の中では降車駅の二つか三つ前の駅で目が覚めます。勿論一度ならず次の駅から引き返しもしましたが。また昼休みは賞味20分きっちり寝ています。スマホの厄介にならずとも目が覚めます。こちらは不自由な姿勢で寝ているのが関係しているかもしれません。とにかくこの作者の気持ちよくわかります。

7月24日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「鉢植えの無花果伸びて自転車は人間乗せず枝を支える:岡本 雅子」このままの歌で伸びた無花果が自転車の上を覆ってしまいそれを自転車が支えているというのですが実は我が家でも庭木で気を使うことがままあります。お隣との境に「コムラサキシキブ」と「ギンモクセイ」を植えているのですがコムラサキシキブはものすごく元気がよくすぐ枝がお隣に越境します。お隣は駐車場なので車を傷つける恐れがあり気が付いたときはすぐに切っているのですが時々間に合っていません。今時分から薄紫の小さな実がなり可愛いのですがそれは私が感じることでお隣にしたら迷惑な話です。選歌の場合は自分の家で完結しているのでいいのですが狭い我が家の庭ではたとえ無花果が越境したとしても目に付いたら切るでしょう。あるいは枝を切って実をお裾分けか。まあギンモクセイがこぼす香りくらいは許してもらえるでしょう。無粋な方ではないようなので。

7月18日 読売歌壇栗木京子」

今週の選は「詐欺の電話吾は切れずに娘に代わる今度はあちらがガチャンと切りぬ:竹内敬子」まあ次から次に色んな芝居を考えてくるものです。家にも一度長男を名乗る男から電話がありました。声は少々違うように聞こえましたが話を聞いていると「交通事故を起こしたのでお金が必要、、、」といっています。そこで「今どこにいるの?」と聞いたら埼玉といいます。当時長男は宇都宮に住んでおり埼玉とはまったく関係がないので適当なことを言って電話を切りました。女房はあまり刺激的なことを言って怒らせるとややこしいのでとアドバイスをするので従いました。電話だけで暫くあってない子供の場合もしかしたらうっかり信じるかもしれません。ただ我が家の場合そこで何十万とか何百万とかのお金がでてくるともうだめです。親に「金を出してくれ」というような子に育てたつもりもありませんし第一我が家にはそんなお金は家に置いてませんので「アウト!」