11月28日 名樹散椿

会社の机の前に速水御舟の「名樹散椿」の超ミニチュア版屏風があります。これは京都昆陽山地蔵堂通称「椿寺」の五色八重散椿を描いたもので日本画の収集で有名な山種美術館の代表的な作品です。唐突に椿の話ですが今、家の近所の庭々では山茶花が見頃です。すでに散り始めているものもありますが白やピンクの可愛らしい花が緑の葉から顔を出しています。私は椿と山茶花の違いはよく分かっていませんが山茶花は今頃から2月くらいまでそれより少し遅れて椿が咲くようです。私が昼寝によく行く祖光院にも大きな椿がありますがこちらのは全体的に大きく手入れもされてないのであまり風情はありません。それに比べ「名樹散椿」の上の方から流れ咲く五色椿の見事さは豪華絢爛で机の前にある小さい作り物ですが仕事が詰まったときふっと目に入ると心が穏やかになります。椿寺の実物より御舟の感性で膨らませた作品の方が凄いのかもしれません。これが芸術なのですね。