6月14日 最期は笑って

岐阜で「在宅ホスピスケア」を実践されている小笠原医師が最期は笑ってという題の文を今日の日経夕刊に載せています。大腸がら腸閉塞になり病院で緊急手術を受け2年後に在宅医療を受け始めた男性患者。医師が訪問診療を終え帰ろうとすると奥様から前日に夫から「明日旅に出るからいつものようにかばんと靴を用意して」といわれ「私も連れてって」というと彼は「遠いところだから、君は家で待ってなさい」というので枕元に置いた。医師が帰宅して2時間後奥さんから「主人が今旅立ちました」との連絡があった。医師が見た男性の顔は穏やかで、笑みを浮かべていたのに驚いた。今まで多くの患者の死を見てきて死ぬときは苦しむのが当たり前と思っていたのになぜ病院で苦しんでいた患者が家に帰ると笑顔を取り戻すのだろうか。もう治らないとわかっていたら闘病ではなく痛みと苦しみを取り除き生きる希望がわくケアが必要ではないか。医師が確信した瞬間ですね。