5月18日 読売歌壇栗木京子
今週の選は「どくだみはてこずる草ぞ根気よく筍掘るがに根をたどりひく:多田郁子」これはもうこの時期庭では必ず見る光景です。とにかく強くどこにでも生え、抜いても切っても何度でも出てきます。可愛らしい白い花はなかなか捨てがたいのですが手に付いた臭いはいつまでも消えません。その臭さの成分が利尿作用をはじめとして色んな効能があり薬草として昔から使われてきたのですね。まず茎を抜きにかかったら手の力を抜きそろりそろりと引っ張ります。少し斜めにしながら出てくる茎の下の方を握り直し浅いところに根を張っている場合は根気よく元をたどっていきます。時には随分離れたところまでたどっていくと行き止まりになることがありますがこれでいっちょ上がり。深いところに入っている場合は茎の根元を掘って山芋を引っ張り出すように注意深く土を取り除きながら掘っていきます。除草剤は使わず苦労しながら抜いている作者の姿が目に浮かびます。