4月11日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「うつむいてふたの開いたランドセルこぼれた夢はひろえばいいよ:桃原 晴美」これはもう新一年生でしょう。一年生にはランドセルはとても大きく見えます。なにか落としたのか珍しいものをみつけたのかとっさにうつむいたのですがランドセルの留め金が外れていたのですね。なかの本やノートがダーと飛び出してしまいました。そのとき夢まで一緒に飛び出してしまいました。大慌てでノートも本も拾いあげさっき落としてしまった夢も丸めてポイとランドセルの中に突っ込みました。もしかしたら落としたのとは違う夢を拾い上げたのかのかもしれません。この作者は同年代かそれより少し大きめの孫がいる「おばあちゃん」なのかもしれません。なんとも優しい目でこの情景を見ています。大きくなれよ、元気に育てよ、友達できたか、給食はおいしかったかなど一杯の言葉と愛情がこの歌の中には詰まっています。お隣の「一星君」は4年生になりました。