3月14日 読売歌壇栗木京子
昨日は休刊日なので読売歌壇栗木京子は今日の掲載です。今週分は栗木さんの評がない歌から。「蝋梅を溶かそうとする春の陽はむかしむかしの貴方のような」ご存じ「蝋梅」は春が浅く寒風の中にほっこりと咲く黄色く蝋で出来ているように表面が半透明な花です。香りが何とも優雅で蝋梅の林の中に入るとうっとりしてしまいます。蝋で出来ているのですから(この蝋梅は作者自身だと思います)この花を見ている君は暖かく春の陽のように私をそっと包み込んでくれましたね。昔々の思い出になってしまいましたが。この彼は今の連れ合いなのでしょうか?私にはどうも違うように思えます。結構な年になってきた今日この頃ふっと感じる蝋梅の香りは時を超え一瞬で、もしかしたら淡い、もしかしたら少し苦めの、でも今となっては楽しかった人生の一コマがよみがえった そのように感じたのですが。もし今の連れ合いのことだったらそれはそれはもう羨ましい限りです。