2月14日 読売歌壇栗木京子

昨日は休刊日だったので本日掲載。今回分は「一晩にこれほど散りし山茶花を眺めてをれば一片も散らず:中島やさか」そうなんです。椿と山茶花の花は見た目はそっくりなんですが椿は花首から散るのに対して山茶花は花弁が散るのが特徴なんです。朝起きたら山茶花の花が一杯散っていたのですね。それではとずっと眺めていたけれどまったく散らなかったというのです。夜中に何か不思議な力が働いてこんなにたくさんの花を散らせたのかも。私がしっかり散るさまを見ようとしているのに一片も散らないのだからと多少がっかりしているのかもしれません。山茶花もそうですが金木犀も見てないところで何でもないように大胆に散ります。桜は少しの風にひらひらと散るので地面に届くまでを見届け余韻も残りますがズバンと散ってしまった山茶花はがっかり気分しか残りません。しかし何ともすっきりと散ってしまうさまは逆に見事なものだとも感じられます。