1月17日 読売歌壇栗木京子
今週の選は「原因は加齢と言われた帰り道きれいに終わる蔦の赤見ゆ:寺山 昭彦」まあ困った歌です。リアル過ぎます。最近妻がやれ目が悪い、腰が痛いのと病院にいくとまず最初に医者から言われるのが「お年ですから」だとこぼしています。誰も好き好んで年を取っているわけでなしよく診察もしないで取り敢えず「お年ですから」はないだろうというのです。そんな直截的にいわなくとも「目が随分疲れているようですね」とか「何か重いものを持ちましたか?腰がえらく張っていますよ」とかなんか言いようはあるでしょうにとは妻の弁。作者は散る前に真っ赤に染まりひと花咲かせている蔦に元気をもらったのでしょう。私だってこのまま年老いていくわけじゃない、ひと花咲かせるとは言わないがまだまだこの世を存分に楽しみたい気持ちはありますよとでも思ったのでしょうか。随分と身につまされる作品で「同士頑張ろうぜ!」とエールを送ろうと思います。