1月10日 読売歌壇栗木京子

本年一回目の選。「職退きしメルケルさんもシュトレーンを焼く時ありやと粉量りつつ:新井美智子」言わずと知れたメルケル前ドイツ首相のことですね。4期16年の長きに亘りドイツ、ヨーロッパの政治をけん引し一昨年に引退した大政治家です。長かったにも拘わらず独善に陥らず常に最善を考え抜いてきた彼女のことは私も大好きでした。新井さんはそんな政治家も政界引退後はドイツでクリスマスケーキとして有名なシュトレーンを焼いていたのだろうかと粉を量りながら思ったのですね。物理学出身で博士号を持った頭脳明晰な彼女、実は家庭では料理が得意だと漏れ聞きます。忙しくてそんな暇もなかったかもしれないメルケルさんもようやく一家庭人に戻って伝統菓子を焼いているのかもしれませんね。こんな歌も選んでくれる栗木さんはすてきだなア。