10月24日 読売歌壇栗木京子
今週の読売歌壇で栗木京子は「経営の神様だって死んでいく注射のうまい看護師の母も」を選んでいます。栗木さんはこのような表現も理解しているのですね。人生の悩み、恋心、日常生活といろんな題材が歌になります。そして今回の作品は母親の死を述べているのですが経営の神様と呼ばれた稲盛和夫さんでも亡くなる:神様が亡くなるというのは少々おもしろいのですがそんなことには拘らず:みんな死んでいくのですね、注射が上手で患者に慕われていた母親も逝ってしまいました。多分悲しみも少し薄れ少し冷静になった今、それにつけても母親は素晴らしかったな、自分の母親としてもそして仕事を持った一看護婦としても尊敬できる立派なひとだったなと回想しているのでしょう。世の中には人の役に立ち亡くなった人は大勢いるが自分の母親もその中の一人として誇りを持っているのですね。直接表現ではないが母親への思慕が思われる挽歌。いい歌です。