10月13日 非進学校こそ日本の根幹
昨日の夕刊に藤原辰史という歴史学者が「非進学校こそ日本の根幹」という題で書いた文章に共感した。いわく作物の育成、料理、造園、魚を捕獲・養殖したりする能力も高校の重要な課題であるが、どちらが難しいか本源的なのか問わぬまま受験問題処理能力を何倍も評価する社会は歪だ。先頃山口県教育委員会はいい大学に入りたい中学生が他の県に流れることに危機感を抱き造園や農業を学べる宇部西高校の募集停止と中高一貫進学校を整備する計画を発表した。宇部西高校は春の七草販売で地域に喜ばれたり人手不足が深刻化する造園の分野で技能五輪の銅賞を取ったりとレベルの高い生徒を輩出しているのに。教委は西校の卒業生が日本の造園技術を見たい人達の心を揺さぶるイメージを抱けていない。世界に誇れる庭仕事、作物栽培、料理文化、伝統技術は担い手が絶たれると二度と復活しない。農林漁業を大事にしない国はいずれ滅びると。生きる糧を忘れることの深刻さ。