6月17日 父親の死

日経夕刊「あすへの話題」に劇作家渡辺えりさんが父親の死を語っています。親の介護についてテレビで語ったのが縁で故郷の秋田から依頼を受け「認知症の親を喜ばせたい」という演題で講演をすることになった。しかし彼女が喜ばせたかった父親はひと月ほど前に亡くなっており何を話したらいいのか悩んだ。講演前秋田名物稲庭うどんを食べるとおいしさに涙し、父の好物だったと思い出し食べさせたかったと後悔の念に駆られた。そして今の気持ちを正直に語ろうと決意した。病院での父の様子、葬儀の準備 とめどもなく涙が流れるがみんな介護の経験で一喜一憂しながら人生を歩んできた人たち。隠す必要もない。手放しで彼女を愛し、その作品も愛してくれた父がもういない。しかしそういった孤独に向き合い生き続ける人達の支えのためにアート、芸術があると結ぶ。私のことをどんなに深く愛しているかを知りながら最後まで不器用な生き方を軽蔑してしまった私。