3月24日 春雨とばらと子規

今朝新聞を取りに外に出たら昨晩の雨で景色がみんな濡れていました。すっかり散った鹿児島紅梅、盛りを迎えようとしている雪柳、あと少しで花が開きそうなカイドウ。そんな中でひと際目を引くのが「バラ」。我が家のバラは十数年前に近所の人から貰った一本で冬になるとすっかり枯れ老木の体をなしているのだが今朝は雨に濡れた若葉、新芽がとてもきれいです。「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる:子規」正岡子規はこの歌の二年半後に脊椎カリエスで亡くなるのだがこの当時はもう病床から抜けだせず庭に見えるものは何でも歌にしていました。毎年花をつけ楽しませてくれるバラはこの時期すんなりした擬宝珠型の先がほんのり赤みがかった花芽を出しています。昨晩の雨で小さな水玉が葉に転がっています。これから一雨ごとに大きくなりやがて花を咲かせるバラは彼にとってもしかしたら生きている喜び、生きる望みだったのかもしれません。