2014年7月17日 営業担当者の雑記
今朝の日経「交遊抄」に嘗てシンクロナイズドスイミングで大活躍しソウル五輪では銅メダルを取った小谷実可子氏が非常に示唆に富む文章を書いていました。ソウル五輪が終わった直後、全く面識のない米国人から電話があり「野生のイルカは君よりも美しく泳ぐ。僕とバハマに行ってみないかい?」と誘われた。彼女はその当時まったくイルカに興味がなく無視。4年後彼女はバルセロナ五輪で補欠となり現役引退。失意の中ロスアンゼルスに滞在中またあの彼から「10分間だけ時間をくれ」と連絡があり渋々会った。彼は当時の競泳界のスーパースターであったマット・ビヨンデが野生のイルカと共に優雅に泳いでいる映像を見せた。その情景に心を奪われ翌年ビヨンデとバハマを訪ねた。カリブ海の大海原でイルカたちと対面すると、人生の全てだと思っていた五輪がちっぽけなものに感じた。同時に、現役引退後も前向きに歩んでいこうという気持ちが芽生えた。彼とイルカとの出会いが、彼女の第二の人生の礎になっているというもの。オリンピックを目指し燃え尽きた経験などない私に彼女がイルカと泳いだ時の感激、オリンピックが人生の全てでもないだろうと悟った瞬間を想像することは出来ないが、しかし偉大な自然が彼女をまっさらにし新しい一歩を踏み出す契機になったというこの話は心を打ちます。