3月26日 散る花
曼珠沙華の時期になると話題にしている松戸金ケ作の祖行院駐車場に咲く桜がとても立派です。この樹はまだ何十年も経ってはいないと思いますがとても発育がよく10m近くあり枝を広げている様はいかにも元気のいい青年を思わせます。今日は大した風でもないのに上の方からハラハラ、ハラハラと花が散りその下で昼食をとっていた私の独り占めでした。陽光の中今まさに満開の花が風もないのに散っていく様はただただこの世に生きていることの意義すら感じさせる春爛漫の風情とは言いすぎでしょうか。この樹はソメイヨシノですが西行の歌に「山ざくら枝きる風のなごりなく花をさながらわがものにする」というのがあります。彼は数え切れないほどの桜の歌を作り死ぬときは桜の時期にと予言しその通りに亡くなったと京の街で当時話題になったというほど桜を生涯にした人ですが、その中でもこの散る花をひたすら愛でる幸せ至極の歌は大好きなものの一つです。