11月16日 藤十郎の恋

先日4代目坂田藤十郎さんが老衰で亡くなったと報じられていました。私は歌舞伎は見たこともないし彼自身も知りません。ただずっとずっと若いころ菊池寛の「藤十郎の恋」を読んだことがあるのを思い出しました。といっても題名からの好奇心が動機で中身は全く覚えていませんでしたのでこれを機会にざっと振り返ってみました。江戸の歌舞伎役者藤十郎が新作「役者と人妻の恋」が主題の芝居を演じるにあたり実際に幼馴染の人妻を口説きその役を作り大評判を得たが役者として人の心を弄んでしまった自分に懊悩するといった内容だったかと思います。昔のことなので間違えているかもしれませんが。「芸のためなら」とか「浮気は芸に艶が出る」という言葉も聞きますが人それぞれに反応も違うのでしょうからたった一つの偽りの恋で大喝采の演技というのもすごい気がしますが。若いころから艶聞華やかだったと聞く4代目の艶技にはその経験が活かされているのかも。