11月6日 11月の鳳仙花
最寄駅から会社への道すがらにあるお宅の庭に鳳仙花が一本咲いています。鳳仙花は夏の花だったと思いますが11月に入った今なお白い花をつけています。このところは結構涼しい日が続いていますので季節間違いというわけでもないのでしょう。なんだか不思議な感じで見ています。私の好きな俳人飯田蛇笏の代表作に「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」というのがありますがこの鳳仙花はまさに同じような情景です。夏は涼やかな音色で暑さを和らげてくれていた南部鉄か何かで出来たくろがねの風鈴が秋になってしまうとその色、音色は何とも言えない感傷を呼び覚ますとでもいった句だと解釈してます。この時期の鳳仙花もなんだか一本だけ取り残され夏には元気のいい花だと思っていたのが今では少し寂しい感じを受けます。爪に鳳仙花の汁を塗り初雪が降るまで色が残っていたら恋が実るという言い伝えがあるんだとか。艶っぽい話ですが私には縁がなさそうです。