10月28日 母親の死
昨日10月27日は俳人飯田龍太の母、蛇笏の妻菊野の命日です。子供にとって多分特に大概の男の子にとっての母親は特別な存在だと思います。小さい時からそばにはいつも母親がおり大人になってからも何くれとなく自分のことを案じてくれる存在。父親が静かに見守ってくれているのに対し母親ははるかに近しく時に鬱陶しくなることもあるほどです。私の場合はそうでした。亡くなって13年。これまでほとんど話題にしなかった母親のことが最近になって時々出始めました。ほんの些細な癖や物言いや動作を思い出し子供たちが似ているとかいないとか。龍太に「落ち葉踏む足音いづこにもあらず」もう振り返ってもそこにはいない喪失感。ほんの足音だけでもそれとわかる母の存在がいないさみしさ。また「生前も死後もつめたき箒の柄」というのもあります。彼の母親に対する愛情とそしてその存在が無くなった心の空白を箒に見立てているのでしょう。偉大な母の死。