10月14日 樂家歴代展
日経夕刊に「樂家歴代展」が京都市の樂美術館で開催されていると出ていました。私は焼き物にも茶道にも全くの門外漢ですのでただ自分の目で見たものが気に入るかそうでないかだけが判断基準です。数年前上野で同じように樂の歴代展がありその作品集をみたのですが感動しました。まず初代長次郎の「赤楽茶碗 つつみ柿」と「黒楽 無一物」です。ド素人の私でも静かに収まっている赤楽の中に秘めたエネルギーとでもいいますか今にもあふれ出んばかりの力が漲っているのを感じます。また黒楽はすべての色を吸収して出来上がった恐ろしいほどの沈黙で圧倒されました。「歴代は代々一子相伝といいつつ、初代の精神性を己の中に据え、それぞれの茶碗を作った。作品と向き合えばその人柄と時代が見えてくる」と昨年襲名した第16第樂吉右衛門はいいます。15代がとても奇抜な作品の中に初代を意識しているのを見て楽家の怖さと凄さを見たのを覚えています。