2014年4月4日 営業担当者の雑記

花と言えば西行。
私が一番好きな詩人西行は2000首以上の歌を残しているようですがその中でも特に桜を詠んだ歌は印象に残るものがたくさんあります。生涯花に心を奪われ続けあるときは花に心が浮かれ出るのは仕方ないとしても散った後にはどうかわが身に戻ってきて欲しいのだがと懇願したり、出家した時にすべての執着を捨て果ててきたと思ったのに今だに心が花の色に染まる程花の事ばかり思っていると恨んで見せたりとどれを取り上げても只管桜花のことを詠んだ歌は心を揺さぶられるものばかりです。その中でも私の好きな歌の一つが「おしなべて花の盛りになりにけり山の端ごとにかかる白雲」です。余計な修飾は一切なく唯全山花に覆われすっかり花の盛りになってしまったと詠んだところが却って心地いいのです。心の奥深くを突き詰めた歌が多い彼の作品の中にあって素直に花に出会った感激を詠みあげているのがとても新鮮です。