5月15日 営業担当者の雑記

京マチ子逝去95歳。まだご存命だったことは知らなかったのですが私はクロサワ映画「羅生門」での彼女に強烈な印象があります。映画がモノクロであったことはこの映画を余計にエネルギーに満ちたものにしたのですが野獣のような脂ぎった三船敏郎とそこに現れた薄眉の真っ白な京マチ子の顔の対比。今のようにモロ出しでは勿論ないのですが彼女の顔の表情、体の線、姿態は三船ならずとも興奮したのを覚えています。当時の一般的な日本人の顔は(といっても私は自分の近辺の人達の顔しか思い浮かびませんが)平板なあまり凹凸のない顔が多い中目が大きく妖艶な彼女にはひと際存在感がありました。あの映画そのものにも大変感激しましたが俳優陣特に三船敏郎、京マチ子は映画の粗筋を忘れてしまった今でも鮮明に覚えています。生涯独身で近親者だけの看取り。既に用意してあったハワイの墓で眠るのだとか。彼女の存在に感謝。