2月22日 営業担当者の雑記

ようやく梅が見ごろになってきました。そして夜帰宅途中であちこちの庭からいい香りが漂ってきます。梅の匂いは不思議(もしかしら花はみんなそうなのかもしれませんが)で夜の方が圧倒的に香ります。藤原定家の歌に「大空は梅のにほいにかすみつつ曇りも果てぬ春の夜の月」というのがありますが平安貴族もやはり夜の梅の香を喜んだようです。「曇りも果てぬ」という表現は大江千里の「照りもせず曇りも果てぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき」に出てくるもので当時は盛んに使われた言い回しなんだというのは私の好きな長谷川櫂氏の受け売りですが、梅の香りが辺り一面にまるで霞に覆われたように広がっている風情がまさにこの表現であらわされているのだと改めて平安歌人の言葉に対する繊細さに敬服しました。昨日は多分16夜だったと思いますがスーパームーンの名残かまだまん丸いそして少し赤い月と梅の香りに帰り着くまでほろ酔い気分でした。