4月3日 営業担当者の雑記

今日の朝刊に金子兜太が亡くなる2,3週間前に詠んだという句が出ていました。9句あり新聞評に依ると老いゆく自分を冷静に見つめ、故郷への思いを募らせた姿が浮かぶとしていますが、私は無季語あり字余りありユーモアありといかにも兜太らしい句だなと思いました。兜太の好きな一茶最晩年の句に「花の影寝まじ未来が恐ろしき」がありますがこれも達観したとか深みがあるとはほど遠い生への執着心丸出しです。これが辞世の句だとも言われているようですがいかにも一茶です。兜太の9句の中にも「陽の柔ら歩ききれない遠い家」「河より掛け声さすらいの終るその日」とかなり死を意識しているような句もありますが「さすらいに入浴の日あり誰が決めた」と少しとぼけたようなそして考えすぎかもしれませんが若いころからの反骨心を彷彿とさせるような句もあります。死の直前まで彼の命の源だった創作をし続けた兜太は「すごい一生だった」