2月21日 営業担当者の雑記
金子兜太氏死去99歳。俳句のいわゆる爺臭い枯れた趣味といった印象を覆した偉大な俳人だと思います。彼の著作「俳句入門」の冒頭、季語にこだわらないというという章で「古池や蛙飛びこむ水の音:芭蕉」と「古池や芭蕉飛こむ水の音:仙厓和尚」を並列し季語のあるなしにかかわらずに読めば、もじりの面白さが率直に受け取れます。芭蕉には面白みがあり仙厓和尚にはカラッツとした禅味があります。と書きます。多分学校ではこういった教えはまずないでしょう。私の好きな句「谷に鯉もみ合う夜の歓喜か」といった少しくすぐったいもの、「大頭の黒蟻西行の野糞」といった自由な表現「廃墟という空き地出ればみな和らぐ」といった哲学的なものまで古典に裏打ちされた博識、形式にとらわれない自由さと素直な感覚は群を抜いており何より「俳句」を人一倍愛した俳人だったと思います。また一人偉大な人を失ってしまった。