10月24日 営業担当者の雑記

今日経夕刊の「人間発見」というコラムを関西の落語家三代目桂春蝶が執筆しています。特攻隊や沖縄戦といったおよそ笑いとは縁遠いテーマで創作落語をもう5作作っているのだとか。その中で父2代目春蝶と桂枝雀の交流が書かれています。枝雀は桂米朝の弟子で18年前に自死した空前絶後の抱腹絶倒落語家で私の大好きな落語家の一人です。三代目春蝶は父が亡くなった時葬儀場で未明までずっと笑みを浮かべて遺影を見つめていた枝雀の姿が忘れられないと書きます。その6年後枝雀は自殺するのですが更に、今思えば父は笑いを極限まで突き詰めた枝雀ほど深く病めなかったことに劣等感を抱いていたと続け逆に枝雀は父に先に(死という)面白いオチを言われた、という思いがあったような気がするといい二人は戦友のようでしたと結びます。この下りはただの落語ミーハーの私ですが胸にジンときます。二人とも命を削りながら「笑い」を突き詰めたのですね。