9月26日 営業担当者の雑記
先日俳人の黒田杏子さんが日経に「寂聴さんとの歳月」と題し一文を寄せていました。彼女に寂聴さんが95歳の誕生日に発行した一冊の句集「ひとり」が送られてきたというところから二人の交友が綴られています。私は寂聴さんが俳句を詠んでいることはまったく知りませんでしたが若いころからそして得度してからも彼女の本を時々読んでいました。物事に囚われない破天荒な生き方に共感しつつも幼子を置いて家を出たことについていわく言い難い違和感がありました。仏の道に入ったきっかけはよく知りませんが自分が腹を痛めて産んだ子を捨てて来たことを今どう思っているのだろうかと興味がありました。黒田さんが「ひとり」のなかから選んだ5句の中に「子を捨てしわれに母の日喪のごとく」というのがありました。寂聴さんやはりずっと罪の意識に苛まれていたんだなと今までの違和感がなんだか氷解した気持ちになりました。