2月6日 営業担当者の雑記
2月4日の日経夕刊「あすへの話題」に掲載されていた俳人の池田澄子氏のコラムが心を打ちます。春立つ日と題を付けています。春立ちぬと唱えると意味なく明るい気分になる。でも現実は暖かくはないし花が咲くわけでもない。人間は思いに左右されながら生きる動物だと、つくづく実感する。過去を修正することはできない。そして未来は時にその人の思惑を裏切る。として小島ゆかり歌集から「病院の荷物まとめて今日よりは父なき自由こんなに寒し」を引く。父親を看取り解放された筈の自分の、思い掛けない寂しさに作者自身が驚いている。介護の切ない多忙から解き放たれた時に知る、思い掛けない喪失感。介護は親孝行といった甘い気持ちとは程遠い大変な苦労を伴うと聞く。されば早くそれから解放されたいと思っていたのに実際に来たのは未練、喪失感だったと小島氏の歌。彼女にとっては歌が心のよりどころとなり沢山の作品を作りそれが力になったのだろうと池田氏。歌の力。