9月20日 営業担当者の雑記

昨日は正岡子規の「糸瓜忌」でした。「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」死にいたる7年間を結核で苦しみながらの人生は35年という極短いものでしたがその中で彼が為した文学に関る仕事は芭蕉、蕪村への評価、ホトトギスの創刊、アンソロジストとしてなどなど膨大のものだったようです。また彼と夏目漱石との友情はなんとも羨ましいものです。子規が病中にあるときには敢えて毎日俳句の添削を頼んだりあるいはイギリス留学に立つ際のエピソードなどその友情は終生続きます。子規が亡くなったことをロンドンで聞きその悲しみを子規の弟子である高浜虚子に送った五つの句は彼の心痛がよく伝わってきます。「手向くべき線香もなくて秋の暮」「霧黄なる市に動くや影法師」「筒袖や秋の柩にしたがわず」彼自身が留学に疲れ身心が弱っていたこともあるのでしょうが生涯の友を亡くした悲痛さがよく伝わってくる句ばかりです。