5月13日 営業担当者の雑記

ここ二、三日は本当にいい天気で気温もぐんぐん上昇しています。営業で外回りをするときはクーラを入れています。外は新緑、花々が開きいかにも五月です。「若葉して御目の雫拭はばや」芭蕉が奈良の唐招提寺で鑑真の座像を拝謁した時の句です。私はこの季節の奈良は見ていませんが山々に囲まれ由緒ある寺院が点在している奈良を散歩するのは本当に気持ちのいいことでしょう。この句「若葉して」は仰ぎ見た鑑真の瞳が涙で濡れているように見えたので柔らかい若葉でやさしく拭いて差し上げましょうと読みたい、そうすることで芭蕉の鑑真に対する尊敬の念と同時にこの時期のやわらかな季節感が感じられると私の好きな大岡信氏はいいます。確かに若葉が開いてあるいは若葉の季節にと解釈すると鑑真との結びつきが弱くまた古典に精通していた芭蕉の鑑真に対する思いも伝わってきません。同じ句を鑑賞するのにも感性の優れた人はこんなにも深く読むことが出来るのですね。