12月14日 営業担当者の雑記

両国橋のたもと。「年の瀬や水の流れと人の身は」と問うた其角に身を煤竹売りにやつした大高源吾が「明日またるるその宝船」と応じる。翌日其角は俳諧仲間で吉良上野介の隣に居を構える松浦候にそれを伝えたところ事の重大さを悟った候。と聞こえてくる太鼓の音。oh!あれは山鹿流の陣太鼓。さては浅野家の浪士達がとうとう討ち入ったかと助太刀に馳せ参じようとするとそこに大高源吾が仇討の報告にやってくる。「山を抜く刀も折れて松の雪」辞世の句を残し浪士達は主君の墓前に上野介の首級をそなえ切腹する覚悟だと明かす。有名な歌舞伎「松浦の太鼓」の場面ですね。実は私はこの場面を歌舞伎で見たことがありません。ただ亡くなった婆さまがこの時期になると毎度毎度「、、、明日またるるその宝船」とその場面を説明してくれました。きっと役者の名前も教えてくれたのでしょうが幼い私に分かるわけはありません。後年宝井其角が芭蕉の高弟であること。大高源吾は浅野家の浪士であること。そして何より12月14日が討ち入りの日であることを知りました。