11月6日 営業担当者の雑記
机の前に掛けているカレンダー。これはある食品メーカーがその美術館に所蔵している作品の中から今年は「自然との共生」をテーマにして日本美術の粋を12ヶ月にしたものです。今月は鍋島藩窯の「色絵龍田川文皿」になっています。鮮やかな紅葉とまだ色が付いていない葉が急流に浮き沈みしている。波は染付で太く大胆な文様。緑、赤、黄の紅葉が渦巻く流れに翻弄されている様は何とも素晴らしいものです。秋の気配が忍び寄る静かさと激流の対比は華やかではあるが業平の詠う「からくれない」より、決して媚びない凛とした景色となっており焼き物などの骨董価値にはとんと門外漢な私にもその迫力は伝わってきます。嘗て鍋島藩が伊万里の一角大川内山に直営の窯を持ちその技術を究極にまで高め贅を尽くした焼き物が、廃藩置県で途絶えてしまったのだが伊万里焼今泉今衛門家の努力で当時門外不出だった技術が復興、継承され現在に伝わっているだとか。一度途絶えるとその技術の復活は非常に難しいと聞くがよくぞの仕事と先人の偉大さに感謝です。