4月1日 営業担当者の雑記

今まさに花見シーズン真っ盛りというところです。西行は「花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜の咎にはありける」と詠みました。有名な能「西行桜」のテーマです。西行は一人で桜を楽しみたいので今年は花見禁制にしたのに世俗の風流人士たちが世に知られた西行の花を眺めたいとやってきた。迷惑だが折角来たものをむげにも断れないのでお通しする時の西行の嘆き歌(という作者世阿弥の設定)。桜の咎というけれど誰と観るかは問題ではないその人の心こそが肝心なのであって非情無心の草木の花に浮世の科はないという老桜の精の反論。たしかにそれはおっしゃる通りだと西行と老桜の精は一心同体と言える境地になり二人の魂の契りは最高潮を迎えると言う内容。西行と桜の関係を世阿弥が表現するとこうなるというものです。今時の花見とは甚だ趣が違いますがたまにはこんな花見もいかがでしょうか。