3月20日 営業担当者の雑記

桂米朝師逝去
あの端正な風貌とその通りの語り口、品のいい大阪弁、どんな噺をしても下種にならない人徳、知性に裏打ちされた言葉の広がり、葬り去られようとしていた古い話を掘り起こした落語への情熱。どんなにいっても言い尽くせない一世一代の落語家でした。最初にかれの噺を聞いた時こんな落語家がいることに仰天しました。世に名人と称される人は沢山いました。しかし米朝師はそれ以上の何か人を引き付けるものがありました。一門の隆盛は誠にめでたくはありますが枝雀さんの自死はどんなに辛かったことでしょう。多士済々の面々が其々の芸風で活躍していますが結局弟子たちは米朝師に愛されたくて、噺を聞いて欲しくて、怒られたくて、認められたくて一生懸命精進しているように思えます。ここ数年は高座にも上がっていませんでしたが弟子の米團治を聞きに行くと今の様子が時々報告されていました。もう生の米朝師に会えないと思うと残念でたまりません。合掌。