12月5日 冬バラ
今我が家の玄関先に一輪ピンクのバラが咲いています。15,6年前住んでいたところから越して来た時近所の方がくれたバラです。2,3本あったのですがみんな枯れ一本だけ残っています。それから毎年花をつけています。窪田空穂に「はらはらと黄の冬バラの崩れ去るかりそめならぬことの如くに」という歌があります。秋が短く急激に気温が下がってきたこの頃暖かかった一瞬が通り過ぎバラももうすぐ朽ちます。指でつまむとパラパラと崩れそうです。初夏のバラはいかにも明るく華やかで心がうきうきしてきますが冬のバラは次世代に引き継ぐ命の火がもうすぐ消えようとしている寂しさと悲しさが溢れています。それは「かりそめ」ではなくもう避けられない命の交換なのですね。植物はこうやっって自分の代を終えていくのですね。自然の摂理のなかに何かいいようのない荘厳さと神々しさを感じます。「春にまた会おうぜ!」そんな声をかけたくなりました。